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◆江の島にゃんこ物語~トラジの旅立ち~◆

江の島で再々々会した、ヤセとトラジの物語。
(ちなみに前回のおハナシはコチラ)

★★★★★★★★★★★★★★★


「あ!いたいた!オ~イ、トラジィ~♪」

1208948011.jpg

「・・・・・!!」
「オレだオレオレ!ヤセだヤセ」

・・・・・・・・・・

ダダダダダダダダダ!

「なっ!?おい!トラジ!」

ダダダダダダダダダ!

「コラ!トラジ!なぜ逃げる!?」
「キミこそなんでボクを追いかけるの!」
「友達だろーが。おめでたい新年早々、人の顔を見て逃げるとは」
「友達という認識は誤りだし、キミに会った瞬間からめでたくない」
「失敬な。と、とにかく、まず止まれ!」
「今日こそキミのペースには乗せられない」
「わかったから!まずとまれっての!」
「とまったことによって発生する凶事は計り知れない」
「ヒトをジェイソン扱いするな。新年のアイサツだけだっての!」

 ・・・・・・・・・・・

1208948087.jpg

「…ふう、ホラ止まったよ。アイサツが済んだらボクの視界から消えて」
「おま…なんでそんなにいけずなん?だんだんヒドクなるぞ」
「当たり前でしょ。キミに会った日はいつもヒドイ目に遭うんだもの」
「いや…ちょっと待て」
「今日は大事な日だから、アイサツが済んだらボクの視界から消えて」
「待て待て。なんか納得いかねーな」
「何がさ?アイサツまだ?」
「あのなオマエ、さっきからオレがトラブルの張本人みたいに言うがな」
「そうじゃないか。数々の事件を忘れたとでも?アイサツまだ?」
「それと気付かずに人妻に懸想したり、それと気付かずにオカマを彼女にしたのは、他ならぬトラジ自身なワケで、オレには何の咎も無い」
「オカマじゃなくてニューハーフ!」

1208948011.jpg

「おーおー!!そういえばトラジ!!」
「わービックリした!瞳孔拡げたままこっち見ないでよ」
「さっきの話の中でだな」
「…キミの、その自分勝手な会話の展開がたまらなくイヤだ」
「さっき『今日は大事な日』とかなんとか言ってなかったか?」
「…キミの、その、やたらと目が利いて耳が聡い所がたまらなくイヤだ」
「ヒトを藤吉郎扱いするな。大事ってなんだ。大事って」
「どうでもイイでしょ。ボクの極めて固有の、かつ形而上学的な問題」
「ほうほう、それでそれで?」
「ふふん、そのテには乗らないよ。アイサツまだ?」
「水くさいじゃねーか。オッパイ星人同士、隠し事はナシだろ?」
「何度も言うけど、キミと同じ星の住人だなんて不名誉極まりない」
「語れ語れ!その、極めて巨乳の、かつ形状が素敵な問題とやらを」
「極めて固有の、かつ形而上学的な問題!!」
「ほうほうほう…で??」

1208948011.jpg

「まったく…まあ、いいや。腹が立つけどキミには言っとくよ」
「お?ついに観念したな?言ってみな言ってみな?」
「結論から言うとだね。この先キミと会う事はもう無いと思う」
「ほほう?それはまた…?」
「ボクは旅に出る」
「ほほ~う」
「ボクの人生がイマイチちっぽけなのは、この島の狭い世界しか知らない事が最大の要因だと気付いたんだ」
「猫が“人生”とはこれ如何に」
「狭い世界では小さな人生しか送れないよね」
「“猫の人生”がスルーされている件」
「だからボクは、もっと“大きな自分”を探しに、旅に出ようと思う」
「そして世界中の子供達にサッカーボールを配るワケね。おめでとう」
「だから、こうやって話しをするのは今日が最後だよ」
「フーン、それはまことに残念だが…??」
「もし、どこかで会うことがあったら、ビッグになったボクに驚くだろうね」
「フーン、…で、どこへ旅に出るんだって?」

1208948087.jpg

「…どこって…」
「旅に出る!と言う以上、どこか行くあてがあるんだろ?」
「・・・・・・」
「故郷の島を捨てる覚悟なら、どこへ行ってもビッグになれるだろうが」
「・・・・・・」
「何のあてもなく島を出ただけじゃ、旅そのものが目的になって・・・・・」
「…いや…その…」
「年に数回のお菓子メーカーの役員会議に出席するか、年に数回のチャリティマッチに出場するのが関の山だわな」
「またナカータだ。キミはボクが猫だってコト忘れてない?」
「いや、トラジよ、責めているわけではないぞ。今までずーっと島で暮らしてたんだから、どこに行けばビッグになれるのか判るハズも無い」
「・・・・・・」
「正直に吐け。要するに行く先は未定だろ?」
「…まァ…未定といえば、未定…」
「どこへ行けばいいのか、その判断材料も無いだろ」
「・・・・・・」
「これで最後と言うのなら、男ヤセガエル、一緒に考えようじゃないの」
「・・・う~ん・・・」
「トラジが、見違える程ビッグになれる所を、オレも探してやろう!」
「…キミの、その安請け合いがたまらなく不安なんだ…」

・・・・・・・・

・・・・

1208948011.jpg

「…で、ヤセくん。何か思いついたかい?」
「うむ、我ながらイイ考えかもしれん」
「なになに?」
「墨田とか江東とかどうだ?」
「なんで相撲部屋が集中してる場所を選ぶかな。“ビッグ”違いだよ」
「じゃあ国技館とか」
「初場所じゃないか。マゲやフンドシに執着は無いよ」
「トラジのモミアゲは大徹みたいだけどな」
「キミはやっぱりアレだね。期待すればするほど裏切るタイプ?」
「“大徹のモミアゲ”がスルーされている件」
「そうそう、だいたいその“トラジ”というありきたりな名前も、小さい感が漂うよね。日本男児らしく漢字一字か二字でバシッと決めたいな」
「だったら“曙”とか“白鳳”はどうだ」
「協会に借金でもしてるの?だいたい二人とも日本男児じゃないし」
「難しいな~大徹くんは~」
「次に大相撲ネタを出したらキミの顔面にマーキングするからね」

1208948011.jpg

「うををををー!!トラジよ!!」
「わーなんだよ急に!瞳孔開きっぱなしじゃないか」
「あれを見ろ!」
「あれって?」
「あれだよあれ!」
「だからどれ?」
「船!漁船!あれがあったじゃないか!」
「ボクに漁師になれとでも?」
「違う!あの旗を見ろよ!“第五葉山丸”!」
「その、第五葉山丸がナニ?」
「つまりだな、オマエはこれからあの船に乗る」
「なんで?」
「いいから聞け。オマエは今からあの船に乗って、葉山漁港まで行く」
「・・・・・・」
「猫のオマエにとっては“船に乗る”ってだけでも一大イベントだろ?」
「・・・・・・」
「それでだ、葉山漁港に着いたら、オマエは、今まで暮らしてきた江の島を外から眺めながら新しい人生を過ごす」
「猫が“人生”っていうのもおかしいよね」
「上手くやっていければそれで良し。もし何か問題があれば、オマエは海沿いを歩いて、橋を渡って島へ戻ってくればイイわけだ」
「“猫の人生”がスルーされている件について」
「人間にとっても、葉山から江の島へ歩くとなると相当な距離だ。猫のオマエにとっては、それこそ大いなる旅に違いないと思うがどうだ?」

1208948087.jpg

「・・・・・・」
「なんだよトラジ~。またウジウジすんのかよ~」
「いや…別にウジウジなんかしてないけど、イザ島を出ると思うと…」
「オマエな、こういうコトは、思い立った時にスグに動かないとダメだぞ」
「それは…そうなんだろうけど…」
「そんな風にグダグダやってるウチは、横綱なんて夢のまた夢だな」
「なんでちょいちょい大相撲かな。ちゃんこに執着は無いよ」
「じゃあ、とっとと覚悟決めて、スパッと新しい世界へ旅立っちまえ!」
「・・・・・・」
「船の乗船許可なら、オレが船長のオヤジと掛け合って取ってやる」
「・・・・・・」
「友達の晴れの門出だ。オレにもちったぁ貢献させろよな」
「・・・・・ふう」
「というワケで、承知か?トラジ」
「…わかった。それでイイよ」
「おお!そうか!」
「今日、この日にキミが現れたのも、運命かもしれないし」
「うんうん」
「ビッグな男になるためなら、困難も犠牲も厭わない」
「それでこそトラジだ!じゃぁ船長と交渉しにいってくるからな!」

---------

1208948011.jpg

・・・・・・・

・・・・

・・・


















「お~ワリィ、ワリィ。待たせちまったな」
「・・・・・・」
「いや、ヘンクツなオヤジでさ」
「・・・・・・」
「『猫がウチの商品を台無しにしたらどうする!』とか言いやがって」
「・・・・・・」
「『オレのダチがそんなことするか!』っつってパンチしてやったさ」
「・・・・・・」
「まあ、アレだ。そしたら泣きながらOKした。ハハハハ」
「・・・・・・」
「つーワケで、港まで乗っけてくれるからな」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・なんだよトラジ。何か問題でも?」
「・・・・・ヤセくん・・・・・」
「あ?」
「…キミが頭下げてるところ初めて見た」
「あ…あれ?」
「ボクのために頭を下げたの?」
「いや…あ~…その、なんだ」
「ボクのためかい?」
「なんだよ見てたのか。つーか、細かいコトはどーでもイイだろ」

1208948087.jpg

「…ありがとう…」
「やめんかい」
「キミの厚意は生涯忘れないよ」
「よせって。トモダチじゃねーか」
「…ボク、ぜったいビッグな男になるからさ」
「やめろと言うに。なんだか目にゴミが入るわ」
「港に着いたら、まずスラムに行って、恵まれない子供たちに…」
「葉山にスラムなんてねーよ。ヘソが茶を沸かすわ」
「とにかく、江の島を眺めながら新しい天地でガンバってみるよ」
「うんうん、そうしろ。しばらくしたらオレも葉山に様子を見に行くわ」
「来なくていいよ。トラブルになるから」
「このまま海に放り込んだろか」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「じゃあ…行く」
「…ああ」


・・・・・・・・・・


・・・・・

      
・・












(行っちまった)

・・・・・・

(てか、アイツ意外と根性無しだから心配だな)

・・・・・・

(あ…ハハハ…アイツ、手ェ振ってやがる)

・・・・・・

(いや、『猫が手を振る』とはこれ如何に)

・・・・・・

・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・








(あれ?)

・・・・・・

(なんで?)

・・・・・・

(あららら?)

・・・・・・

(待て待て。なんでそっちへ進むか?)

・・・・・・

(葉山はそっちじゃなくて反対方向なワケだが…)


「あ!そこの爺さん!あれが見えるのか?」
「見えますのォ~猫が手を振って…」
「猫はどーでもいい。あの船が見えるよな?」
「猫が見えるなら船も見えますわィ」
「クチの減らない爺さまだ。あの船を知ってるかっつーハナシ!」
「第五葉山丸じゃろが。知ってるも何もウチのお得意様じゃ」
「その葉山丸が、なんで葉山とは逆方向へ行くんだよ?」
「名前が葉山丸じゃからと言うて、葉山の船とは限らんわィ」
「なんだそりゃ!?」
「お前さんこそ何を大騒ぎしとるんじゃ」
「だから、葉山丸のオヤジに、『次の港で猫を降ろしてくれ』と…」
「次の港?」
「ああ」
「次の港…というと、波浮港かえ?」
「…ハ…ハブ…なんだって?」
「波浮港」
「ハブコウなんて地名、湘南にあったっけ?」
「お前さん、さっきからゼンゼン間違っとるわィ」
「ほえ?」
「あの船は、伊豆大島の波浮港に帰る第五葉山丸」
「えッ!?伊豆大島!?」

★★★★★★★★★★★★★★★

ご来訪ありがとうございました!
…トラジくん危うし!
「不憫すぎる」とお思いの方、
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テーマ : ショートショート    ジャンル : 小説・文学

 

 



Comments
えっ!?
ヤセガエルさん

昨年8月の誕生日に江ノ島を訪れた時に、このトラジくんを一生懸命探していたmarieです。(そしたらその時ヤセガエルさんからバースデーメールが届いてびっくりしました!v-344

新年からこんなにほのぼのとしたお話を読む事が出来て、何だか幸せな気持ちです。ヤセガエルさんの優しさやお人柄がにじみ出てて、私も目にゴミが・・・(T_T)

で、でも!!!
トラジくん、伊豆大島に行っちゃったのですか!?
そ、それは・・・大変!!!

戻って来てぇ~~~っ!!!


・・・ヤセガエルさん、遅くなりましたが今年もどうかよろしくお願い致します。いつもありがとう・・・e-250e-6

To marieさん
marie師匠、いらっしゃいませ!
明けましておめでとうございます!

おお~そういえば、お誕生日は江の島へいらっしゃっ
たんですよね。
トラジくんは、普段、エスカー乗り継ぎ地点の展望台
デッキに居ることが多いようです。画像もそのデッキ
で撮影しました。今は伊豆大島ですが(嘘)。

今冬は、“暖冬”という長期予報を覆す厳しい寒さが
続いてますが、marie師匠もご健康に留意しつつ、
作品作りを楽しんでくださいませ。私も、ぼちぼち
チマチマと、趣味の音楽製作を楽しんでおります。
完成したら公開しますね~。(・∀・)


 

 

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PROFILE

ヤセガエル

Author:ヤセガエル
神奈川県在住の一般市民(♂)。このブログで、音楽記事、音楽機材、星空や夜景の話題をお届けいたします。

音楽は、主にスムースジャズを中心にオススメCDのレビューを。音楽機材は、趣味のDTM・DAW、ベース、ギター、サックス等を取り上げています。
流星群情報も定期的にUPしていますので参考にしてくださいね!

 
 
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